DXへの取り組み
多様化するニーズへの対応を実現していくために

2024年10月1日に
DX認定を取得しました!
DX認定

トップメッセージ

スピード感ある対応を行うために

365日の献立をセントラルキッチンで製造しクックチルで提供――ナリコマのこれまでの歩みは、常にデジタルと共にあったと言えます。事業の成長と共に「誰もが調理しやすいお食事」「一定のクオリティー」が求められ、多くの人が携わる事業となりました。

季節に応じたバラエティー豊かな味、見た目と栄養価のバランスが整ったクオリティー、お届けの安定化。ヒトの手だけでは実現が難しかった365日の日替わり献立の確立は、デジタルなくして語ることができません。ナリコマにおいて、課題をデジタルで解決していく文化が根付いているのはこのためでありましょう。

DX推進には「情報の共有」も大切な要素と捉えています。お客さまからいただくさまざまな意見を集約し、一つの方向性を見出していく。リアルタイムでスピード感ある対応を行うためにも、ますますデジタルの力が必要となっていきます。

今日までのシステムの構築・整備も含め、すべてが「ナリコマのお食事」です。時代の潮流を見据え、事業を改革し続けることで、お客さまと共にナリコマのDX推進は続いていきます。

株式会社ナリコマホールディングス
代表取締役社長 竹内 美夫

お食事サービスの枠を越えてデジタルでの解決策をご提案できるように

環境変化が激しいこの時代、私達ひとりひとりが意識と行動をいかに変えていくかが生存戦略につながります。単に機器を入れるだけではデジタル化、DX推進とは言えません。デジタルを取り入れて組織をどう活性化させていくか、知識×行動のバランスを企業全体で整える必要があります。

さらに、社内だけでなく、デジタルソリューションの波及はお客さまにまで至ります。悩みのステージが違うお客さまの課題を解決するためにもデジタルは不可欠でしょう。

ナリコマ全体でデジタルリテラシーを引き上げ、さまざまなお客さまへお食事サービスの枠を越えてデジタルでの解決策をご提案できるようになることは、お食事だけにとどまらないナリコマだからこそできるソリューションです。

DXが事業価値の代替になるのではなく、DXにより自らの価値を上げていけるような企業でありたい。「売って終わりはナリコマではありません」をDXでも実現していきます。

株式会社ナリコマフード
代表取締役社長 竹内 克成

経営理念・経営ビジョン

経営理念

お食事を通じてご高齢者の皆さまに生きる喜びを

DXビジョン

デジタルを介して施設厨房の働き方を変え、多様化するニーズに迅速に対応することで、お客さま満足と持続的な給食運営を実現する。

美味しいお食事を安定的にお届けすることは「当たり前」の価値提供です。私たちの理念達成は、多様化する社会・顧客ニーズに対して、スピーディーにお応えし続けることで、医療・福祉のお食事の持続的運営を実現することにあります。

人手に依存せず持続的な価値提供を行うためには、DXは選択ではなく必須と捉え、ナリコマグループはDX推進へ積極的な投資を行ってまいります。お客さま、ご利用者さまの「美味しい」ひと時をお守りするために。

給食DX戦略

お客さまの厨房のDX

ナリコマのアドバイザーが厨房受託で実践して培ったノウハウをもとに、お客さま厨房のDX化をリードします。

クックチル・ニュークックチルのご提案による調理・盛り付け業務の効率化、デジタル化による事務負担軽減などを通じて厨房業務の省力化・安定化を支援します。さらには、患者さまや利用者さまの健康状態に合わせた個別性の高い食事提供における負担をもデジタルで解決します。

また、現状に満足することはありません。お客さまのご要望などのデータを集約・分析し、スピーディーに対応することでサービスを向上し続けます。

これらを実現するためにも、社内の生産体制の再整備が不可欠です。

生産体制の再整備

人が主体的にシステムを操作するのではなく、AIが人に提案するという環境を作ります。生産計画、献立作成、購入調達、製造工程それぞれにおいて、各システムが持つビッグデータをAI向けに整備するため、データ基盤構築を進めます。将来的にはAIによる献立作成、生産計画、発注予測ができる状態を目指します。

DX推進シナリオ

STEP
1
デジタル基盤の構築

デジタル基盤の構築

クラウドベースのデジタル基盤を構築し、レシピ、栄養情報、在庫、発注データ等のビッグデータを整備

IoTデバイスの導入

カメラや非接触ICでの検品等による効率的な運用支援

STEP
2
オペレーショナルインテリジェンスの強化

ビッグデータ分析

収集されたデータを分析し、消費傾向、廃棄率、栄養バランスなどの洞察

提案型AIによる業務改革

AIを用いた献立の自動生成や、食材の需要予測におけるAI技術の導入

STEP
3
パーソナライズドケアの実現

個別栄養管理システム

高齢者や患者の健康データを連携させ、個々に合わせた栄養管理ができるシステムの導入

モバイルアプリの利用

患者や施設スタッフが、個々の食事内容や栄養情報を確認し、フィードバックの送信を送ることができるアプリの開発

STEP
4
スマートキッチンの導入

サプライチェーンのスマート化

セントラルキッチンにおけるロボティクス技術やセンシング技術を活かし、サプライチェーンの下流にあるサテライトキッチンの設備状況を問わず効率化

エネルギーマネジメント

エネルギー消費を最適化し、環境負荷の低減とコスト削減を実現

STEP
5
連携とコミュニケーションの向上

ブロックチェーンの活用

食材の供給チェーンを透明化し、安全性の向上と信頼性確保

デジタル連携

関連する医療機関やケア施設とデジタルで連携し、情報共有と協働促進

体制と組織

全社横断プロジェクトの立ち上げ

2022年にDX推進部門を立ち上げ、主にセントラルキッチンをはじめとしたDX推進に取り組んでいます。
今後は、計画的かつ全社で足並みがそろった推進を実現するため、全社横断のDX推進機関の設置に向けて、整備を行っています。
横串機関を設置することで本部を超えたシナジーが起こり、結果、DX推進の規模が拡大する可能性や、既存社員の活用など人材活用の横串にもつながる付帯効果が期待されます。

デジタル人材の確保

2023年よりエンジニアに特化した採用チームを発足し、人材確保に努めています。また、同時に社内エンジニアのエンゲージメント向上や柔軟な働き方のさらなる改善などの推進に取り組みます。

デジタル人材の育成

2024年1月よりデジタル人材育成のため、ITパスポートの資格取得推進を行う制度を始動させました。ITパスポート取得を通じたタレントマネジメントを行うことで、新たなDXに関するプロジェクトを発足させるなどの取り組みを行っていきます。

環境整備

基幹システムの整備

当社は製販管を担う基幹システム(ナリコマクラウド)を自社開発しており、食の地域性や顧客ニーズに起因する多様性に対応するため、セントラルキッチン方式では難しいとされる多品種生産を実現しています。2024年2月の改修を行い、UI/UXの向上とさらなる機能向上に向けて取り組んでいます。今後は病院の管理システムや電子カルテ、栄養管理システムとのデータ連携を強化します。

人材獲得の多様化

事業の拡大やDX化を推進するために、留学生や外国人エンジニアの受け入れ態勢を強化し、インクルーシブな職場環境を作ります。また、人材獲得の多様化に向けて人事制度を整備していきます。

成果指標

お客さま厨房に対するDX化の促進

福祉施設に加え、医療施設に特化したシステムを独自開発・提供を行い、厨房業務のDXを実現します。また、多様化するニーズにお応えするため、2028年を目標に食事選択のバリエーションを増大し、かつ、すべての献立に於いて介護食の提供ができる仕組みを構築していきます。

当社のサービスを全国のお客さまにお届けすることで、業界そのものの厨房DXを促進していきます。

生産体制

生産体制においては、拠点追加と生産性向上によって現在の約37万食から2028年度には約60万食までキャパシティを拡大します。

ビジネスデジタル人材の創出

社内の人材育成や外部からの人材獲得を通じて、ビジネスデジタル人材(ITエンジニア+業務知識を活用しながら全社横断的にデジタル化を推進する人材)の比率を2028年までに全社員の50%以上に増やします。

セキュリティ対策

当社は一層情報セキュリティ対策に取り組むため、SECURITY ACTION(二つ星)を宣言し、情報セキュリティの向上に取り組んで参ります。
ソフト(ヒト)の面では、AIを始めとする先端技術を適切に扱えるセキュリティ技術者を中心に情報リテラシー教育を推進します。ハード(ITインフラ)面においては、地震等の災害だけでなく、近年、医療・福祉・給食にも侵食してきたサイバー攻撃も想定した堅牢なデータセンター設備やバックアップ、SOC(監視体制)によって、当社の事業を安全かつ継続的に行います。