ナリコマグループ

たくさんの患者さんが入院している病院にとって、毎日の給食を提供することはとても重要な業務の一つです。療養のために入院している患者さんは、きちんと栄養をとったり、エネルギーを補ったりする必要があるでしょう。また、入院設備がない病院でも、健康維持のための食生活について患者さんに指導する機会があります。


今回の記事は、そんな病院で働く管理栄養士の実態に迫ります。「大変」「つらい」といったイメージが強い病院管理栄養士の主な仕事内容をお伝えし、向いている人の特徴なども併せて解説。近年さまざまな業界において課題となっている、働き方の改善ポイントについても触れていきます。ぜひ最後までお読みください。

病院管理栄養士の仕事内容

管理栄養士は国家資格が必要な職業です。まずは、基本的な仕事内容についてお伝えしましょう。働き方によって多少の違いはあるかもしれませんが、病院では給食部門と臨床部門の二つに分かれており、それぞれ以下のような業務を担当しています。

給食部門での主な業務

①献立作成

入院している患者さんそれぞれの状態に合わせ、普通食や治療食の献立を作成します。アレルギーなども含めて確認する必要がありますが、個別の症状や治療内容とも深く関わる大切な業務です。

②食材や加工食品の発注

給食に使う食材や加工食品に関して、どの業者に何を発注するか決定します。予算に限りがあるため、献立とも照らし合わせてコストを考えなくてはなりません。

③給食の調理

調理師と共に給食の調理を担当。患者さんの入退院が繰り返される病院では、献立や分量が毎日同じとは限りません。場合によっては確認事項が細かく発生することもあります。

④給食委員会の運営

給食委員会は、患者さんの満足度を上げるために運営します。患者さんに対して給食に関するアンケートを実施。その結果を参照しながら、改善点などを話し合います。

⑤事務作業

食材の発注などで必要な帳票類を作成・管理します。

臨床部門での主な業務

①栄養管理

入院している患者さんの栄養状態を把握し、管理する業務です。それに伴い、個別の栄養管理計画書も作成します。

②栄養指導

入院と外来の患者さんに対して、栄養面での指導を実施。必要な栄養素を補うための食事内容を提案したり、食生活に関する相談に乗ったりします。

③NST(栄養サポートチーム)の業務

NSTは管理栄養士だけでなく、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師などで構成されています。管理栄養士の主な役割は、患者さんの状況・状態に合わせた最適な栄養摂取方法を提案すること。他に、合併症を防ぐための栄養管理なども担当します。

④生活習慣病教室の開催

がんや糖尿病、脳卒中、心臓病などの生活習慣病を予防する食生活について、講習会を開きます。

病院管理栄養士が 「大変」「キツい」「つらい」といわれる理由

病院管理栄養士に対して「大変」「キツい」「つらい」というネガティブなイメージがあるのはなぜでしょうか?根拠として、以下のような理由があると考えられます。

理由①忙しさと年収のバランスが悪い

先に述べたように、病院管理栄養士は幅広い業務を任されています。出勤から退勤までやるべきことが目白押しで、暇になるような時間はほとんどありません。ところが、管理栄養士の平均年収は350万円〜450万円ほど(令和2年時点)。忙しい割に高収入とはいえないところが、ネガティブな要素になってしまうのでしょう。

理由②シフト制で生活リズムが整いにくい

病院管理栄養士の勤務は基本的にシフト制です。早朝に出勤する日もあれば、帰りが夜遅くなってしまう日もあります。日々の勤務時間が異なるため、生活リズムがなかなか整わないという人もいるでしょう。

理由③立ち仕事が多く疲れもたまりやすい

働き方にもよりますが、病院管理栄養士はデスクワークだけでなく、厨房などでの立ち仕事も任されます。あまり体力がない人は、疲労を感じる日が多いかもしれません。

理由④女性中心の職場で人間関係が複雑なこともある

病院管理栄養士の職場は、女性が多い傾向にあります。また、経験や年齢を重ねたパートタイマーも多め。そういった偏りのある環境では、人間関係が複雑になることもあります。特に若手の管理栄養士は、自分より経験値がある人や年上の人に仕事をお願いするパターンで苦労することもあるようです。

理由⑤患者さんとのコミュニケーションが難しい

栄養指導などで患者さんと直接関わる場合、人によってはコミュニケーションがとりづらいこともあります。その点で、精神的なプレッシャーを感じる人も少なくないかもしれません。

 

病院管理栄養士に向いている人

では、どんな人が病院管理栄養士に向いているのでしょうか?その具体的な特徴を挙げていきます。

特徴①料理をはじめ、食に関することが好き

病院管理栄養士は食生活と深い関わりがある職業です。料理をすることや食べること、食の知識を生かすことなどが好きな人は、病院管理栄養士の業務をスムーズにこなせるかもしれません。

特徴②人と関わり、サポートすることが好き

病院管理栄養士は職場の人だけでなく、患者さんともコミュニケーションをとる機会があります。いつも誰かしらと関わりを持ち、その人をサポートすることにやりがいを感じる人は病院管理栄養士に向いているでしょう。

③新しいことを学ぶのが好き

医療の分野は常にアップデートされていきます。それに伴い、病院管理栄養士の知識も古いままではいけません。新しいことを学ぶのが楽しいと思えるような人は、病院管理栄養士を長く続けていけるのではないでしょうか。

特徴④体力や精神力に自信がある

すでにお伝えしていることから推測できる通り、病院管理栄養士は決して楽な職業ではありません。資格取得のために学ぶことは誰でもできますが、職業としては体力と精神力が充実している人が向いているといえそうです。

 

病院管理栄養士あるある

ここで、病院管理栄養士によくある苦労話とその解決方法をご紹介しましょう。

医師や看護師と意見が合わない

病院で働くのであれば、医師や看護師などの医療スタッフと連携が必要です。しかし、時には意見が合わず、提案が受け入れられないこともあります。そんなときは、医療スタッフよりも立場が弱いように感じるかもしれません。その溝を埋めるには、知識や経験をより多く得られるような働き方を意識し、スキルアップするとよいでしょう。

職場で同じ立場の人がいない

実は、病院に在籍する管理栄養士が1人だけというケースはよくあるのです。ところが、同じ立場の人がいないと相談する相手もおらず、孤独を感じてしまうことがあります。そのストレスを解消するには、職場内にこだわらず、管理栄養士のコミュニティなどを利用するとよいでしょう。

病院管理栄養士の働き方は「給食」で変わる

病院管理栄養士について詳しくお伝えしてきましたが、深くご理解いただけましたか?
ハードな面が目立つ職業ですが、その働き方は給食によって大きく変わります。というのも、病院管理栄養士の給食業務は、工夫によって負担を軽減できるのです。

 

例えば、ナリコマグループでは栄養価まで考慮された献立を2パターンの日数サイクルでご用意。患者さんの嚥下能力に合わせ、四つの食形態から選べます。クックチルやニュークックチルを活用するため、病院では簡単な仕上げをするだけで提供可能です。

また、給食に関する帳票を管理するためのオリジナルアプリも便利。栄養分析表や献立表など十数種類のフォーマットが準備されており、必要な書類がスピーディーに作成できます。

 

こうした給食業務を手助けしてくれるサービスを導入すれば、病院管理栄養士の働き方は改善されるでしょう。「給食業務のどこを工夫すればいいのかわからない」「全然働き方が楽にならない」とお悩み方は、ナリコマにぜひご相談ください。給食から病院管理栄養士の働き方を考えてみませんか?

こちらもおすすめ

クックチルに関する記事一覧

人材不足に関する記事一覧