できることを最大限に
日本は四季に恵まれている半面、自然災害が多く地震・台風・豪雨・豪雪など災害が多く発生します。そんな災害大国で私たちナリコマは福祉施設・病院の利用者さまを支えるお食事をお届けするという、止めることのできないとても大切な業務を担っています。
ただ、私たちにもできることとできないことが現実としてあります。その中で災害とどう向き合い対応すればいいのかを熟考しています。
いざ災害が起こったときに顧客さまが困るであろう問題を想定し一つでも減らそうとしています。同じ内容の災害はないため、その時々に合うように臨機応変に対応し判断することが必要になります。
「お食事を通じて生きる喜び」を届けるには、施設スタッフ・ご利用者さまとナリコマのスタッフの両者の安心・安全が重要です。
ナリコマはセントラルキッチンで製造したクックチル食品を自社配送センターからお届けしています。道路や交通網に問題がないなどの安全が確認できれば、通常通りお届けすることが可能です。
災害発生時にナリコマ未契約の福祉施設・病院さまでも、お食事の提供でお困りの場合はぜひ一度ご相談ください。お食事の提供のお手伝いをさせていただきます(諸条件あり)。
ただ、最悪の状況も想定して、厨房業務の継続方法を複数持つことをオススメしています。
実際に行った対応
2016年4月14日・16日に震度7の地震が二度発生。停電・ガス停止・断水などの大きな被害が発生した。
交通が一時不通になるも、ナリコマでは自社配送にて地震発生2日後の4月16日から8日間の支援を行った。契約施設さまと随時連絡を取り、その間に必要な物資をご用意した。
契約施設さまのご協力もあり、契約10施設および未契約16施設に支援を行った。
2024年1月1日に能登半島を中心とした地震が発生。
契約施設への交通網を確認後問題がなかったため、配送に一部遅延があったものの当日中にお届けすることができた。
その中で困っていることとして飲用水がないと伺い、全国のナリコマセントラルキッチン間で協力し飲用水を確保、営業担当がお届けした。
フォロー体制が整っています
ナリコマは全国6ヵ所のセントラルキッチンと対応する各エリアに営業所を構えています。全国に分散しているため、非常時にはそれぞれのセントラルキッチンと営業所が協力していくことで、柔軟に対応することができます。
お客さまに細やかなサービスが提供できるように現在は最北が岩手県、南は鹿児島県に営業所があり、今後も対応エリアを拡大いたします。
※2024年現在
ナリコマが災害対策におすすめしている対応とは?
災害は想定を超えてきます。だからこそさまざまなパターンの業務継続方法を想定することが必要です。
厚生労働省の「自然災害発生時の業務継続ガイドライン」では「行政支援開始の目安である被災後3日目まで、自力で業務継続するため備蓄を行う」とされています。そのため、現在では非常食を持っておくことが必須となっています。
食事提供の事業継続計画(BCP)でのポイントは「お食事を食べていただくこと」。
ライフラインが寸断された場合、まずは非常食を使用し「お食事を提供、空腹を軽減する」が最低ラインになります。
あたたかい食事が提供できるか?どのような器に盛るか?といった検討が状況に応じて、災害時の食事提供を想定しておくことが必要と考えます。
災害時に想定されることとして、断水・停電・スタッフの人員不足以外にも問題が発生します。さまざまなパターンを想定して、業務継続方法を整えておきましょう。
たとえば実例では、使い捨て食器は洗う必要がなく効率的ではありますが、実際に食べる利用者さまにとっては軽すぎて食器が動いてしまうため自分自身で食べることができず、介護スタッフの負担が増えたことがありました。このようなパターンを知ることで、非常時に慌てず対処することができます。
ナリコマではBCP対策に役立つ資料の配布や無料セミナーを開催しています。ご興味のあるかたはぜひ一度お問い合わせください。
非常食を開発した理由
2010年以前に起こった台風と大雨の影響で近隣の川が氾濫し避難勧告が出たことがありました。水道が使えない状況で厨房スタッフも近隣住民も被災し、限られたスタッフでお食事を提供することになりました。
当時はナリコマの介護食が一部商品化されておらず、刻みなどフードカッターで対応していましたが、洗浄ができずふき取り後アルコールで消毒して使用することとなり苦労しました。
※現在では、介護食含め4形態(普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食)をご用意しています。
想定外のことや非常時に不便だったことを実際に体験し、工夫して乗り越えることができました。仕込みの洗浄が不要で衛生的に調理ができるクックチルの存在は大きな負担軽減を実感し、クックチルの非常食の必要性を感じました。
非常食開発のきっかけは、2011年に発生の東日本大震災や台風など近年多発する災害です。それまで災害が発生したときには、ナリコマ社員がトラックで契約施設さまに届けるなど、人力で凌いできました。しかし、ナリコマの契約施設・病院さまは年々増え続けており、配送エリアも拡大したため人力の限界でした。
災害時はあらゆることが日常とは違い、気力や体力を消耗してしまいます。そんな環境下では、心と身体を回復させるためにもお食事は不可欠な要素です。ナリコマは非常食の開発コンセプトを「日常食としての非常食」とし、災害という非日常を感じさせないお食事提供を目標にしました。
こだわったポイントは「献立」と「美味しさ」。食べ合わせや色のバランスにも配慮しながら、普段のお食事と大差なく食べられる献立を組み立てました。
非常時だからこそ「お食事という日常」を届けたい。非常食の開発を通じて感じたのが「お食事は生きることそのもの」だということです。お食事を作るには、水や火、電気などの環境が必要です。しかし、非常時にはそれらがなく、手に入れることも難しい。非常食の開発により、ナリコマはお食事の大切さを再認識しました。今後もよりクオリティを高めていきます。
非常時だからこそいつもと同じ安心感で備えませんか?
ナリコマの非常食は、誰でもかんたんに非加熱調理で対応することができます。温めずにそのまま召し上がれます。もちろん、ライフラインに問題なければ温めて提供することもできます。
必要な作業は
人手が足りない非常時だからこそ、誰でもかんたんに調理・提供できることが重要です。
ナリコマのひまわり非常食は、一般的な防災として推奨されている「3日分の非常食」を4形態(普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食)でご用意しています。
栄養価も考慮しているため、市販の非常食を組み合わせて献立を考える必要がありません。
オプションで、専用食器と主食(ごはん、おかゆ)もご用意しています。専用容器は、各献立に合わせて各食数分を1セットとして。いつものお食事と同じように身体機能(嚥下力・咀嚼力)に合わせた4つの食形態「普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食」で提供可能です。
噛むこと、飲み込むことができる
普通食でもやわらかく調理しています。各食材に合った新しい技術を導入し、素材本来の風味を大切にした仕上がりとなっています。
噛む力は弱いが、飲み込みはできる
歯茎や舌でつぶすことができるやわらかさです。魚はほぐし、野菜は粒状にして食材の食感を楽しめるようにしています。まとまりがあるので、こぼしたり、むせることなくお召し上がりいただけます。
噛むことが難しいが、飲み込みはできる
素材本来の味と香りを感じられるよう、特殊な機器で調理しています。水や出汁で薄めることなくペースト状にしているので、少ない量でも十分な栄養を摂ることができます。
噛むこと、飲み込むことが難しい
ペースト状にした食材を固めています。すでに固まりになっているので、食塊形成や咽頭への送り込みの機能が低下した方にもお召し上がりいただけます。
長期保存に適したパッケージ、常温で長期保存可能です。縦に積んだ状態で長期間保管ができるよう、通常よりも強度の高い段ボールを使用しています。内容物がわかるように、箱の側面には2ヵ所に商品名と最短の賞味期限を記載しています。
1セットあたり、普通食は10食分、ソフト食・ミキサー食は5食分、ゼリー食は3食分の非常食が入っています。いざという時こそ、美味しく召し上がっていただくため、直射日光を避け、常温で保管してください。
契約施設さまはナリコマポイントでの購入も可能なため、費用の負担が少なくご購入いただけます。受注生産につき、納入時期については専任のアドバイザーにご確認ください。