病院や福祉施設の給食で、「食中毒」は注意が必要な問題です。食品の調理や保存など、患者さまや利用者さまに提供するまでには、さまざまな衛生管理に気を付けることが大切です。クックチルは、こうした食中毒の予防に役立つメリットがあります。安心して食べられる食事の提供だけでなく、コストカットや業務効率化など、その他のデメリットの解消にも役立ちますので、ぜひご参考ください。
目次
給食で怖いのは「食中毒」
食中毒の被害は日々いろいろなところで耳にしますが、病院や福祉施設の給食も例外ではありません。残念ながら病院や福祉施設の給食によって食中毒が起きたケースは複数あり、ニュースでも度々取り上げられています。改めて食中毒の怖さを理解し、予防に努めることが大切です。
さまざまな原因がある食中毒
食中毒の原因は、細菌やウイルス、フグや毒キノコなどの自然毒、ヒスタミンといった化学物質、寄生虫、などさまざまにあるため、それぞれの特性を把握して個々に予防と対処を行う必要があります。食中毒が起こりやすい時期として、6月〜9月にかけてよく注意喚起されますが、これは気温が上がることにより、細菌が育ちやすくなることが理由です。
細菌と一言で言っても、サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌など、いろいろな種類があり、食中毒の事例によって原因となった菌は異なります。ウイルスでは、ノロウイルスが原因となるケースがよく挙げられるでしょう。ウェルシュ菌のように、一度の加熱では死滅せず加熱後に増殖する菌もいるため、予防が難しいことも食中毒の怖さです。
抵抗力が落ちていると食中毒になりやすい
食中毒は、健康で元気な状態よりも、抵抗力が落ちている状態の方がかかりやすくなります。病院や介護福祉施設の患者さまや利用者さまは、抵抗力が落ちている方が多くいるため、食中毒のリスクも高くなるでしょう。
また、食べる方の嚥下状態に合わせて、ミキサー食のように加工することもよくあります。しかし、こういった加熱後に食事に手を加えることで、細菌やウイルスなどに汚染されるリスクがより高まってしまうことも注意点です。
クックチルとは?
クックチルは、クックチルシステムとも呼ばれる、食品の調理と保存方法の一つです。調理した料理を急速冷却するところが特徴で、90分以内に食品の中心温度を3℃以下まで下げるなど、細かい決まりがあります。その後は、0℃〜3℃の低温状態で保存して、食べる際には、必要に応じて温めるなどして提供する方法です。
「HACCP(ハサップ)」にの理念に基づいた衛生管理のもと作られることも利点で、食事の準備を効率良く行えることもメリットにつながります。
ニュークックチルとは?
ニュークックチルは、クックチルがさらに進化した方法で、より安全で便利に使いこなせる工夫が備わっています。ニュークックチルの特徴は、加熱調理した料理を3℃以下まで冷却したのち、チルド状態のまま盛り付けを行うところです。すでに盛り付けされているため、そのまま温めるだけで提供でき、盛り付け時の食中毒のリスクを減らせるメリットも加わります。
対応機器の使用によって自動で再加熱できるため、食卓へのスムーズな提供ができ、厨房の無人化も可能です。再加熱できる機器には、据え置き型や移動可能型の種類があるため、施設環境に合わせて選ぶとなお利用しやすくなるでしょう。
ナリコマのクックチルで食中毒が予防できる3つの理由
ナリコマでは、食中毒の予防に向けて、さまざまな対策を心掛けております。以下の3つのポイントに加えて、食事を提供する際の衛生管理を徹底すると共に、マニュアルによるスタッフ教育にも力を入れています。
①適切な温度管理で予防
食中毒の原因に大きく関わるのが温度管理です。細菌やウイルスは見た目ではすぐにわからないため、予防のためには加熱調理の温度管理を適切に行うことが大切です。ナリコマのクックチルでは食材を調理する際に、食材の中心温度が75℃になってから1分以上加熱し、ノロウイルスの恐れのあるものは、中心温度が85℃〜90℃になってから90秒以上加熱するなどして、殺菌を行っています。
加熱した後は、30分以内に冷却して、90分以内には料理の食材の中心温度が3℃以下になるようにします。このように、時間と合わせて適切な温度管理をすることで、食中毒の予防ができます。
②個別包装による最低限の調理で予防
食中毒では、細菌やウイルスなどの原因となるものが、できるだけ食品に付着しないようにすることが大切です。クックチルは、徹底した温度管理と衛生管理の基に作られた食品が、個別包装された状態で納品されます。そのため、食材を切ったり、計量したり、といった調理過程がなく、必要最低限の調理のみで食事を提供できるため、その分人の手に触れる機会も減少します。ニュークックチルの場合は、食べる直前まで温度管理ができるためより食中毒の予防に効果が期待できるでしょう。
③最新技術による製造で予防
ナリコマのクックチル食品は、全国に6ヵ所あるセントラルキッチンで作られています。安心安全な食事を作るために、最新技術を活用し、独自のシステムを活かして効率的に製造していることも強みです。加熱や冷却の際の温度をデータで管理して活用することで、日々、食中毒の予防に役立たせることができます。
工場内では、HACCPの理念に基づいたさまざまなルールを設けており、毛髪や異物の混入対策、手洗いなども徹底し、食中毒の予防に努めています。
ナリコマのクックチル導入によるその他のメリット
クックチルは、食中毒の予防だけでなく、導入によってさまざまなメリットが期待できます。異物混入を防ぐほか、コストカットや業務効率化などの今後の運営に役立つ特徴もぜひご参考ください。
異物混入を防げる
クックチルは、人の手に触れる工程をできるだけ避けることで食中毒の予防に役立ちますが、異物混入を防ぐうえでも役立つしくみです。ナリコマのセントラルキッチンでは最新技術を活用することで省人化ができるため、最小限の人の手によって作られているほか、異物は機械と人の目視によるダブルチェックを行っています。食事の準備の際に、最低限の調理器具で用意できることも異物混入予防につながります。
コストカットができる
クックチルおよびニュークックチルを活用すると、厨房の無人化が可能になります。また、調理時間の短縮によって、シフト時間の削減につながることもポイントです。人員不足の悩みを解消できるほか、人件費も削減できるでしょう。調理作業が最低限で済むことから、厨房の設備も必要最低限に抑えることができ、調理のための光熱費なども削減できます。食事の用意にかかっていたコストカットができることも、ナリコマのクックチル導入のメリットです。
業務効率化につながる
ナリコマのクックチル食品は、調理済みのため、再加熱するだけといった簡単な作業で食卓に運ぶことができます。下処理など、ある程度の技術が必要な調理工程がないため、誰でもこなすことができるのもメリットです。今まで調理に割いていた時間を、他の仕事に費やすことができるでしょう。導入によって業務効率化ができた、というお声を数多くいただいております。
食の安全にクックチル活用!ナリコマにお問い合わせください
クックチルは、食中毒の予防に役立つシステムです。その他のデメリット解消にも役立つため、給食の厨房管理で複数のお悩みを抱えている際にもぜひご検討ください。
ナリコマでは、専属のアドバイザーが担当するため、お客様のお悩みを丁寧にお伺いしたうえで、お客様の環境に一番合うご提案をすることができます。シフトのシミュレーションやスタッフへの説明会の開催など、スムーズに導入できるように現場でしっかりとサポートいたしますのでご安心ください。
お客様相談窓口は365日対応しております。まずはお気軽に無料相談からお問い合わせくださいませ。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
クックチルに関する記事一覧
-
医療・介護施設のBCP策定ガイド!安心安全な施設運営のために
地震や台風などの自然災害は、いつどこで発生するかわかりません。特に、医療や介護を支える病院や施設においては、災害が発生してもその役割を止めることなく継続する必要があります。
停電や断水、物流の停止などによって、通常の施設運営が困難になるケースも少なくありません。こうした緊急時に備えるために欠かせないのがBCP(事業継続計画)です。BCPとは、災害や緊急事態が発生した場合でも、業務を継続・早期復旧させるための計画で、特に命を預かる医療・介護施設にとってBCPの策定はとても重要になってきます。
今回は、災害時における医療・介護施設が直面する課題や対策方法などについて詳しく解説していきます。いざという時に備え、今からできる準備を一緒に考えていきましょう。
-
病院給食が約25年ぶりに値上げ!費用算出方法や物価高騰への対策を解説
病院給食は、その名の通り、主に入院患者さんに提供されています。価格は長らく据え置かれてきましたが、2024年6月1日に値上げが行われたことで注目を集めました。今回の記事は、この「病院給食の値上げ」をテーマにお届けします。
病院における給食の重要性や、値上げに至った背景などを詳しく解説。近年さまざまなところで影響を及ぼしている物価高騰への対策についてもまとめてみました。ぜひ最後までお読みください。
-
給食業界における最大の課題!コスト高騰化を乗り切る解決策とは
近年は数多くの商品やサービスの値上げラッシュが続いており、多種多様な業界はもちろん、消費者にも大きな影響を及ぼしています。食品や日用品の買い出しで「高くなった」と実感している方は少なくないでしょう。値上げの主な理由は、生産費や人件費といった各種コストの高騰化。この件は、給食業界においても最大の課題として解決が求められています。
本記事では、今や身近なテーマともいえるコスト高騰化について解説。詳しい要因を見ながら、給食を必要としている施設の現状や具体的な解決策などをお伝えしていきます。ぜひ最後までお読みください。
人材不足に関する記事一覧
-
厨房の人手不足解決はどこから手をつけるべきか?
厨房の人手不足が問題となっている給食業界。人手不足による影響は施設の評価につながることもあります。今すぐに人手不足をどうにかしたい場合、どんな解決策があるかを解説し、クックチル導入における人手不足解消のためのメリットについても紹介します。
-
厨房の人手不足は機械化で解決できる?機械化のポイントとニュークックチルとは
近年、病院や介護施設の厨房の人手不足が深刻になっています。原因は複雑で、社会情勢も影響しているため簡単には解決が難しい状況です。そこで、厨房の人手不足の解決策として「機械化」が注目されるようになりました。この記事では、厨房の人手不足の原因から、厨房の機械化のポイント、人手不足を助けるニュークックチルの概要を解説します。
-
病院給食でクックチル・ニュークックチル導入が増えている!メリットとデメリット
近年の日本では、さまざまなコスト上昇と人手不足が大きな問題となっています。実に多くの企業がその影響を受けているところですが、病院も例外ではありません。なかでも、入院患者に毎日の食事を提供する給食現場では、食材や光熱費などのコスト上昇と深刻な人手不足に関して的確な対策が求められています。
クックチルとニュークックチルは、そんな病院の給食現場で導入が増えている調理システムです。本記事では、この二つの調理システムについて詳しく取り上げます。クックチルとニュークックチルの違い、給食現場で導入が進んでいる背景などを詳しく解説。導入にあたってのメリットやデメリットもまとめてお伝えします。
クックチルとニュークックチルに興味のある方、導入をお考えの方はぜひ最後までお読みいただき、ご参考になさってください。