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病院給食は近年さまざまな課題を抱えており、早急な解決策も望まれています。セントラルキッチンの導入は、課題解決のための方法の一つです。今回は、病院給食が抱えている課題の概要と共に、セントラルキッチンの導入によってどのようなメリットやデメリットがあるのかを解説します。

病院給食が抱える課題

近年の社会情勢の影響もあり、病院給食は、給食部門の赤字や人手不足による問題が深刻化し、早急な解決も求められています。おいしい食事を提供する、といった根本的な課題解決を見失うことなく取り組むことが大切になるでしょう。

コスト上昇による病院給食の赤字

社会的影響により経済負担にまつわる悩みをさまざまなところで耳にするようになりましたが、病院給食も例外ではありません。食材費や光熱費、人件費、委託費など、病院給食にまつわるコストが高騰し、多くの病院で給食部門が赤字になっています。

コスト削減にあたっては、食材の質を落とす選択肢も除外できない事態となっており、管理栄養士を悩ませる大きな問題に発展しつつあります。患者さまの療養のための食事を提供するには、食事の質を落とさずにコストを削減することが大切です。

過酷な職場環境と人手不足

病院給食部門における人件費の上昇とも関係がありますが、調理師の人手不足の問題も大きな課題の一つです。元々、給食の調理業務は立ったまま長時間の作業を行うなど、業務自体がある程度過酷な状況にあります。そのうえで、現場の調理師が減少すると、一人あたりの負担はより大きくなってしまいます。

人材を雇う予算がない、募集しても応募がない、など、複数の要因があわさり調理現場の人材確保が難しくなっている状態です。こうした状況の場合、一人あたりの業務負担が大きくなり過ぎないようにして、少人数でも回っていく業務体制が必要になるでしょう。

食事がおいしくない

病院食がまずい、というのは残念ながらよく挙げられています。まずいと言われる理由としては、食事が冷めている・味が薄く感じられる・献立がマンネリ化している・見た目がおいしそうではない、などがあります。

これらの課題は、調理方法や提供方法を工夫すれば解決に導くことができますが、先述したようなコストの上昇による経済負担や人手不足の課題が重なることで、課題解決にはさらなる工夫が求められています。

セントラルキッチンとは?

セントラルキッチンは、病院や介護福祉施設、飲食店などで食事を提供する場合に、その調理の主な工程を行う施設です。食材を大量に仕入れて、まとめて調理することで、調理作業の効率化やコスト削減につながります。

セントラルキッチンの役割

セントラルキッチンの役割は、調理を一ヵ所に集中させることです。セントラルキッチンで調理の大半を行うことで、病院などの施設での調理は必要最低限に抑えることができ、調理負担の軽減につながります。

一ヵ所でまとめて食材の仕入れや調理を行うことで、個々の施設における食材費や人件費の高騰による負担の削減に役立ち、食事の準備の効率も良くなります。また、食事の味を一定に保てるといった品質の安定に役立ち、衛生管理もしやすくなるでしょう。

自社セントラルキッチンとOEMサービス

セントラルキッチンの導入では、自社でセントラルキッチンを用意する方法と、他社のセントラルキッチンに製造を委託する方法があります。自社セントラルキッチンを導入する場合は、セントラルキッチンの施設作りが必要なため、物件探しや必要な器具の用意など、一から行うことになります。

一方、セントラルキッチンでの食品製造自体を委託するのが「OEM」と呼ばれる方法です。他社のサービスを利用するため、自社で製造設備を保有する必要がないのが大きな特徴です。他社のセントラルキッチンサービスを利用する場合は、自社にあったサービスを選び、メニューの相談などが必要になります。

自社セントラルキッチンのメリットとデメリット

セントラルキッチンの導入には、さまざまな利点がある反面、導入では負担になる部分もあります。自社セントラルキッチンを導入する際には、メリットとデメリットの両方を把握しておきましょう。

自社セントラルキッチンのメリット

自社セントラルキッチンを導入すると、調理を一ヵ所に集中させることでさまざまなメリットを得ることができます。

コスト削減が期待できる

セントラルキッチンでは、大量の調理をまとめて行うことができます。生産性が向上するほか、食材をまとめて仕入れて一ヵ所に配送してもらうことで、原材料費や配送費のコスト削減に役立つでしょう。食事を提供する施設では少人数でもできる簡単な調理で良いため、施設の調理設備にかかるコストを抑えられるほか、人件費の削減にも役立ちます。

調理環境の管理がしやすくなる

セントラルキッチンは調理に集中した施設のため、環境を管理しやすいメリットもあります。作業をマニュアル化することで、個々の能力を問わず作業を任せやすくなり、作業を分割することで効率も上がるでしょう。あわせて、衛生管理がしやすくなることもメリットです。

食事の品質が安定する

セントラルキッチンでまとめて調理することで、食事の品質が安定するメリットもあります。調理過程を分割しマニュアル化することで、それぞれの人の能力を問わず調理が平均化されるため、作る人によって味わいが変わることを防げるでしょう。また、複数の施設を運営する場合にも、セントラルキッチンから同じ食事を提供すれば、施設ごとに味わいが変わることもありません。

自社セントラルキッチンのデメリット

多数のメリットがあるセントラルキッチンですが、導入しない選択肢をとる施設や店舗もあります。自社でセントラルキッチンを用意する上では、負担の解決を同時に検討することが必要です。

初期費用やランニングコストがかかる

セントラルキッチンの導入でコスト削減に役立つメリットがあるものの、自社セントラルキッチンを導入するまでの初期費用をはじめ、運営する際のコストがかかります。物件や設備にかかる費用や、セントラルキッチンのスタッフの人件費、調理した食品の配送費などがかかるため、現状と導入した場合の費用の差をよく検討することが大切です。

食事の品質が落ちる可能性がある

セントラルキッチンで調理が効率化されるものの、食事が必ずしもおいしくなるとは限りません。出来たてを食卓に運べないといったデメリットもあるため、おいしい食事を提供するための工夫が必要です。また、セントラルキッチンで食中毒が起きると全ての食事の提供がストップし、被害も大きくなるため、食品の鮮度を低下させないように徹底した衛生管理が重要になります。

セントラルキッチン方式で病院給食は変わる?

セントラルキッチンを導入すれば、病院給食の課題である、赤字対策や人手不足の解決に役立つ可能性があるでしょう。そのため、セントラルキッチン方式を採用している病院もあり、病院によっては厨房を備えていないところも出てきました。セントラルキッチンの普及によって、病院給食の環境が今後さらに変化していくことも考えられるでしょう。

実態として賛否両論はありますが、日本医療労働組合連合会の病院給食実態調査においても、病院給食運営の全面または一部委託・セントラルキッチンなどの運営形態は7割を超えています。

参照:「2023年 日本医労 病院給食実態調査」

ナリコマのクックチルで病院給食のお悩みを解決

ナリコマでは、全国に6ヵ所あるセントラルキッチンで作ったクックチルのお食事を、病院や介護福祉施設などにセントラルキッチンから毎日直接お届けしています。複数の病院で導入していただき、たくさんのお喜びの声をいただきました。

人材確保が難しい・コストを削減したい、といった病院給食の課題に悩まれていたところ、ナリコマのクックチルによって改善できたとお伺いしております。また、味わいについてもおいしいとの評価を得られているため、おいしい病院食の課題解決にもぜひお役立てください。

【ナリコマの導入事例】

https://www.narikoma-group.co.jp/case/c10223.html
https://www.narikoma-group.co.jp/case/c11044.html

まとめ

病院給食の運営形態を変えるのは難しい面もありますが、セントラルキッチンの導入や外部委託で相性の良い方法を見つけることで、病院食提供の負担の改善につながることがあります。自社でのセントラルキッチン導入が難しい場合は、セントラルキッチンを持つ給食会社への相談が近道です。

ナリコマでは、複数の病院に導入していただき、病院食に最適なお食事やサービスが充実しております。まずはぜひ一度、無料相談でお悩みをお伺いさせてください。

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