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高齢者の食生活にはさまざまな課題があります。この食にまつわる課題解決に役立つのが、配食・宅食サービスです。この記事では、高齢者の抱える食事課題に触れながら、配食・宅食サービスの活用で得られるメリット、配食と宅食のサービスの違い、配食サービスが福祉施設にもたらす利益について解説します。

高齢者の食事課題の解決に役立つ配食・宅食サービス

高齢者の食事にはさまざまな課題があり、一人暮らしの方はとくに一人分の食事を準備するうえでの難しさがあります。スーパーなどで食材を仕入れるにも、ある程度まとまった量で購入することになるため、一食で使い切れないことも多いでしょう。そのため、食材が余ってしまうことや、何日も同じ献立を食べ続けなければいけない、といった悩みにつながることがあります。

 

一人暮らしや日中に一人で過ごすことが多い高齢者の方では、一緒に食べる人がいないことで、食事の時間が不規則になったり、簡単な食事だけで済ませてしまったりするケースもあります。料理が苦手な場合に限らず、体力の衰えに伴い食事を作る気が起きない、食事の楽しみが感じられないといった、高齢者の食事にまつわる悩みはさまざまです。

 

また、家族が食事を用意する場合でも、好みの食事を作るのは大変な部分があるでしょう。高齢になると食の好みもあっさりした味付けなどに変わることがあり、硬いもののように食べにくい食材も目立つようになります。そのため、他の家族とは別に食事を用意しなければいけないこともあり、食事を作る家族の負担が増加します。

 

高齢者はこのような理由により、食欲低下や栄養バランスの良い食事がとれずに低栄養状態になることも珍しくありません。こうした高齢者の食事の課題解決に役立つ方法として、配食・宅食サービスを利用する方法があります。

配食・宅食サービスで得られるメリット

配食・宅食サービスを利用すると、玄関先まで食事を届けてくれるため、食材を買いに行って料理をする食事の準備の一連の手間が省けます。配食・宅食サービスの食事は、一般的に栄養バランスを心掛けて作られているため、献立を考える手間もなく手軽に必要な栄養素を補いやすいメリットがあります。また、一食分として適度な量が入っているため、余らせてしまうこともありません。

 

サービス内容によっては、きざみ食やムース食などの介護食や、糖質や塩分が調整されている食事など、身体に合わせてより好みの状態の食事を利用できる場合もあります。定期的に規則正しく届けてもらえるため、配食・宅食サービスによって食事のリズムが取りやすくなることもメリットです。

 

お弁当やおかずのみのスタイルも選べる

個々の配食・宅食サービスによって製品は異なりますが、お弁当としてご飯がセットになっているものだけでなく、おかずのみを注文できる場合もあります。おかずのみの製品は、自分で好きな主食を組み合わせたい、自宅にパックのご飯が常備してある、など環境に合わせて調整したいときに便利です。サービスの選び方によって、より自分に適した食事をアレンジできるでしょう。

 

冷凍やミールキットなら調理も簡単

配食・宅食サービスの製品には、冷凍状態で届いたものを自分で温めて食べるタイプもあります。電子レンジなどを使って簡単に温めることができ、食べるタイミングで温められるためできたてのおいしさを味わえます。

 

また、下処理などが済んでいる食材が届き、簡単な調理で作れるミールキットのタイプもあります。一食分の量に見合う材料が届くため、食材を余らせてしまう悩みも解消でき、栄養バランスが整ったメニューを自宅で簡単に手作りできるのが魅力です。

配食・宅食サービスに介護保険は適用される?

介護保険の対象となる食事提供方法は主に、ヘルパーが調理をするまたは調理を手伝うといったケースとなり、一般的に民間の配食・宅食サービスは介護保険の適用外となっています。そのため、個人で利用する場合、費用は全額自己負担となるでしょう。配食・宅食サービスの利用は便利な一方でコスト面の負担もあるため、利用の際には重視するポイントを抑えて経済的に無理なくメリットの多いサービスを選ぶのがおすすめです。

配食・宅食サービスの違いについて

配食と宅食は言葉の意味合いが異なり、利用シーンによって使い分けられることがあります。それぞれの特徴や違いを知っておくと、適したサービスも選びやすくなるでしょう。ここでは、配食サービスと宅食サービスの特徴を解説します。

高齢者向けに適した配食サービス

配食には、食事を配達するという意味があり、主に在宅の高齢者に対する食事の配達を意味することがあります。そのため配食サービスは、利用者層が主に高齢者向けになっていることが特徴です。一般的に配食サービスのくくりとしては、自宅へのお届けだけでなく、福祉施設や病院などの施設への配達も含めて使われることが多いです。

 

在宅の高齢者向けの食事配達もあれば、福祉施設や病院向けの食事配達もあるため、配食サービスの内容は業者によって異なります。個人で利用する場合と、法人で利用する場合では、サービスの選び方が異なるため、目的に合ったサービスを提供している業者を探しましょう。配食サービスは民間の業者に限らず、自治体がサービスを提供している場合もあります。

幅広いシーンで活躍する宅食サービス

宅食は、主に自宅に食事を配達するサービスで認識されていることが多いです。宅食サービスの場合は特別に年齢層が限定されていないことが多く、幅広い年代向けのサービスが提供されているため、ライフスタイルに合わせてさまざまな選び方ができます。

 

自宅に食事が配達されるスタイルではデリバリーとも共通していますが、一般的なデリバリーと宅食は区別されています。単発的な利用が主であるデリバリーとは異なり、宅食サービスは定期的な利用が主です。また、利用者がその時々で食べたい物を選ぶデリバリーとは違い、宅食サービスでは栄養バランスなどを重視した食事で決められた献立の内容が届くのが特徴です。

 

宅食サービスでは、普通食から介護食まで対応可能であったり、お弁当スタイルだけでなくおかずのみを選べたり、自分である程度調理するミールキットなど、製品の選択肢の自由度が高いことも魅力です。夕食だけや週一日だけなど、注文の頻度も選べることがあるため生活に合わせて調整しやすいでしょう。

配食サービスで福祉施設の食事が生まれ変わる?!

福祉施設で利用者さまの食事を用意する場合、栄養バランスの整った献立を考えるところから始まり、調理、盛り付け、配膳、片付けなど、食事を提供するだけでもさまざまな作業があります。3食分の提供となると、一日の時間もかなり取られることになるでしょう。

 

近年の介護現場では人材不足の課題が深刻化しており、公益財団法人介護労働安定センターによる2024年の「令和5年度介護労働実態調査」では、離職率は低下傾向であるものの、事業所全体では64.7%が従業員が不足していると感じているようです。

 

人手が足りなければ、食事の用意に関しても一連の作業をこなすことが難しくなってくるでしょう。結果として、味や品質の低下やメニューのマンネリ化などにつながり、食事の提供自体の質の低下につながることも考えられます。

 

配食サービスを利用すれば、食事の準備にかける時間を大幅に削減することが可能です。施設や利用者さまにマッチするサービス内容を選ぶことで、現状の課題解決以上のメリットも期待できるでしょう。それぞれの利用者さんに適した食事提供を行うことで、今までよりさらにおいしい食事を楽しんでもらうことも可能になります。

 

参考:公益財団法人介護労働安定センター 令和5年度介護労働実態調査 2024年

ナリコマが福祉施設の食事をサポートします

ナリコマでは、福祉施設や病院へのお届けに特化した配食サービスを提供しています。普通食のほかに、ソフト食・ゼリー食・ミキサー食にも対応しており、利用者さまの一番食べやすい形態でのご提供が可能です。また、365日サイクルのバリエーション豊かな献立があるため、飽きずに楽しんでいただけます。

委託から直営に切り替えをご希望の場合でも、導入前から厨房内の導線などをご一緒に考案し、安定した厨房運営に向けて専属アドバイザーがサポートいたします。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせくださいませ。

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