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全国各地にある介護施設では、日々たくさんの高齢者が過ごしています。そこで欠かせない要素の一つが給食です。介護施設で働く管理栄養士は、高齢者が口にする食事に関して、さまざまな業務をこなしています。

本記事では、介護施設で働く管理栄養士の実態を詳しくご紹介。基本的な仕事内容を確認しながら、「大変」「つらい」などといわれてしまう理由にも迫ります。さらに、介護施設の管理栄養士に向いている人や働き方を改善するためのポイントも解説。ご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

介護施設の管理栄養士の仕事内容

介護施設において、管理栄養士はどんな仕事をしているのでしょうか? 働き方によっても多少の違いはありますが、まずは基本的な仕事内容を一つずつ見ていきましょう。

①献立作成

介護施設ではたくさん食べられない高齢者が多いため、本人は食べているつもりでも低栄養になってしまうリスクが考えられます。また、加齢や病気などが原因で嚥下機能が低下している高齢者も少なくありません。管理栄養士は、利用者の事情を考慮した献立を作る必要があります。

②給食の調理と提供

管理栄養士は、調理師と一緒に給食の調理・提供も担当。万一の事故を防ぐためにも、提供時には利用者の氏名と食形態(例:きざみ食、ソフト食、ミキサー食など)、アレルギーといった情報が書かれた食札をしっかりと確認します。

③衛生管理

集団食中毒などの事故を防ぐのも、管理栄養士の役目。調理師をはじめ、厨房で一緒に働くスタッフへの衛生指導を行います。これに伴い、管理用の帳票作成も必要です。

④行事食の企画と実施

介護施設で過ごす高齢者にとって、暦や季節に沿ったイベントは楽しみの一つ。管理栄養士には、イベントに合わせて提供する行事食を企画し、実施する業務があります。高齢者の中には行動範囲が限られることで、気分が沈みがちになってしまう人もいるのです。上手に気分転換をしてもらうためにも、大切な業務といえるでしょう。

⑤栄養マネジメント

介護施設で働く管理栄養士にとって、利用者の栄養状態を把握することは最も重要な業務かもしれません。いつも健やかに過ごしてもらえるように、個別で栄養ケア計画を立てます。計画の内容は利用者本人と家族に伝え、給食の献立にも反映。もちろん、経過もきちんと記録します。あらゆる情報は介護士や看護師などの施設内スタッフと共有。定期的なカンファレンスも行います。

介護施設の管理栄養士が「大変」「キツい」「つらい」といわれる理由

介護施設で働く管理栄養士は、「大変」「キツい」「つらい」といったネガティブなイメージになりがちです。では、なぜそのようなイメージが強くなってしまうのでしょうか? 

考えられる理由をいくつか挙げてみました。

理由①人間関係がうまくいかない

介護施設では、管理栄養士の他にも介護士や看護師、ケアマネジャー、生活相談員など異なる職種のスタッフが多く在籍しています。高齢者をきちんとケアするためには、施設スタッフとの連携が必須でしょう。しかし、働き方も立場も違うスタッフとうまくコミュニケーションがとれるとは限らないのです。そういった職場の人間関係で大変だと感じることがあるかもしれません。

理由②常に忙しく体調管理がしにくい

管理栄養士の仕事内容は多岐にわたります。そのため、ほっと一息つけるような時間があまり取れません。また、定時制で残業が多かったり、シフト制で早朝・深夜帯に働いたりする職場もあります。シフト制は生活サイクルが乱れ、体調を崩しがちになることも。体力面でつらいと感じてしまう可能性は高いでしょう。

理由③認知症の高齢者に接するのが難しい

介護施設によっては認知症の高齢者が多いこともあります。しかし、認知症の高齢者にどう接したらいいのかわからずに苦労したという話も。つまり、給食や栄養ケアに特化した管理栄養士でも、介護施設では高齢者と向き合わなければならないのです。このように、専門外のところでキツいと思ってしまう人は多いかもしれません。

理由④要資格で苦労が多くても低収入

管理栄養士は国家資格が必要な職業。実際に働く上でもさまざまな苦労がありますが、平均年収は350万円〜450万円ほど(令和2年時点)といわれています。おそらく、こうした現実がネガティブなイメージにつながってしまうのでしょう。

介護施設の管理栄養士に向いている人

ここまでお伝えしてきた内容から、介護施設の管理栄養士に向いている人は、以下のような特徴があると考えられます。

①食生活や健康管理への関心が高い

管理栄養士という職業柄、食生活に興味がある人は多いかもしれません。しかし、介護施設で働くのなら、健康管理にも関心が高い方が良いでしょう。高齢者の多くは健康上のいろいろな問題を抱えています。そういった面をサポートする話題や知識を提供できれば、介護施設のスタッフとしても重宝されるはずです。

②コミュニケーション能力が高い

介護施設ではさまざまな職種のスタッフと一緒に業務をこなし、たくさんの高齢者に接することになります。さらに、利用者の家族と話す機会もあるので、コミュニケーション能力はできるだけ高い方が良いかもしれません。周りの人と上手に関わることで、管理栄養士としての信頼度もアップするでしょう。

③細かいことも丁寧に対応する責任感がある

管理栄養士が担当する業務は、利用者の健康に直接的な影響を与えるのです。だからこそ、細かいことまで丁寧に、きっちりこなせる責任感が求められます。

介護施設の管理栄養士あるある

では、介護施設で働く管理栄養士によくある話をお伝えしておきましょう。

【管理栄養士が自分しかいない】

働き方がどうあれ、職場で管理栄養士が自分だけという状況はよくあるようです。そんな環境では業務上の相談ができる相手もなく、何でも1人でこなさなくてはなりません。そのため、孤独を感じてしまうこともあります。

【板挟み状態になることがある】

介護施設の管理栄養士はさまざまな業務を担当するため、職種が異なるスタッフ同士の間に入ることも多いでしょう。介護系スタッフと厨房系スタッフの意見が合わないときなどは、板挟み状態で困ってしまうこともあります。

【若手のうちは年上に囲まれがち】

介護施設では中年以降のスタッフも多く働いています。そのため、若手のうちは周りが年上のスタッフばかりになることも。管理栄養士として指導する機会もあるので、人によっては仕事がやりにくいと思うかもしれません。

介護施設の管理栄養士の働き方は「給食」で変わる

最後に、管理栄養士の働き方を改善する方法について解説します。介護施設で働く管理栄養士の業務は利用者の食事に関することですが、その中心にあるのが「給食」です。実は、この給食が重要な改善ポイントになります。

ここまでお読みいただければお分かりかと思いますが、給食業務を施設内で完結させる場合、管理栄養士の負担はかなり大きいといえるでしょう。そこで提案したいのが、給食業務の一部を委託する方法です。

例えば、ナリコマグループには365日サイクルの献立サービスがあります。和食から洋食までバリエーションがあり、嚥下機能に合わせたミキサー食やソフト食、アレルギー対応の献立なども選択可能。低栄養の対策を含め、栄養価もきちんと計算されています。

さらに、簡単な仕上げをするだけで提供できるクックチルやニュークックチルを採用。このようなサービスを導入すれば、管理栄養士の負担を軽減し、より良い働き方を実現できるはずです。ぜひ、給食業務の効率化も選択肢の一つとしてご参考になさってください。

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