ナリコマホールディングス 代表取締役社長 竹内です。
第2回となる今回は、「未曽有の時代におけるナリコマの取り組み」をテーマにお話しします。
現在は新型コロナウイルスの拡大やウクライナ情勢など、世界的に不安定な状況が続いていることは、皆さまもご承知のことと思います。
この影響は、お食事の製造提供を担う私たちも例外ではありません。
生産国でのロックダウンに起因する生産工場の稼働停止や物流網停止などによる食材の調達難、さらに食材費やエネルギーコストの高騰は、私たちにとっても大きな課題となっています。
しかし、病院や福祉施設さまの毎日毎食のお食事製造という社会的意義の大きな役割を担う私たちは、どのような状況においても、安全安心で美味しいお食事を安定した価格でお届けすることが使命です。この使命を全うすべく、困難な状況ではあるものの全社一丸となって取り組みを進めています。
当社では、毎日の献立を本社献立部門で事前に作成のうえ、お客さまにもお知らせしていますが、食材の調達難により、予定通りのご提供が難しいという現状があります。この様な状況においても、ご利用者様に喜んでいただけるような新しいバリエーションで楽しんで頂くことを心掛けた献立展開を行っております。
お客さまのご理解ご協力、そして従業員の皆さんの尽力のおかげで、食材費やエネルギーコストの高騰もありますが、安定的なお食事提供ができております。
しかし、これはあくまでも短期的な取り組みに過ぎません。
中長期的な施策については、従来より取組んできましたが、昨今の事象を受け、より強化・スピードアップして進めているところです。
具体的な取り組みをいくつかご紹介します。
1つ目は調達ルートの再整備です。特定の地域に依存した食料調達はリスクが大きい為、調達ルートを多チャネルに分散させて準備をしておくこと、国産食材を活用することも考えながら、中長期に見て整備を進めています。
2つ目は内製化の拡大です。既成製品の価格の上昇に対し、当社ではおやつ商品の内製化を促進したり、自社で食材加工を行うことで、価格を抑えクオリティを維持しています。
3つ目は再生可能エネルギーの活用、エネルギーの削減です。私がこれまで拘りつづけ、2022年に設立した神戸セントラルキッチンで本格的に実現することが出来ました。エネルギーコストの上昇、エネルギー不足といった社会的な課題に対して、ソーラー発電、コージェネレーションシステムの導入等、脱炭素に向けた設備強化も行く予定ですし、ICTを駆使した最先端の設備を導入することで、エネルギーの削減も実現しています。
ここに挙げたものはほんの一例で、これらで 100%解決できる問題ではないと思います。
様々な道筋を探りながら新たな時代の調達について考えていく必要があり、日々模索しながら進んでいく時だと考えています。
これまでも当社は困難に直面しながら、そこから学び前進してきた歴史があります。
ですから、この未曾有の時代からもどのような教訓を得て進んでいけるのかを考え、より多くのお客様のお役に立てるよう、改めて手綱を引き締める思いです。