代表

クックチルシステム導入後の苦難、商品力・サービス力で実現した物販サービス

ナリコマホールディングス 代表取締役社長 竹内です。

今回は、前回の「創業期~クックチルシステムの導入」に引き続き、「クックチルシステム導入後の苦難、商品力・サービス力で実現した物販サービス」について話をさせて頂ければと思います。

クックチルシステム導入に対して「限られた予算内で、個別調理人の技術に頼らず、安定した美味しい食事を提供するために、お客様のお役に立つ仕組みである」と強い信念があったわけですが、導入し始めたころは、お客様だけでなく、実は当社の従業員からも多くの厳しい意見が出ていました。
また、クックチルという手法で衛生基準は満たせても、食味・食べやすさ・美しさにおいて課題が山積していたのです。

家庭で調理される際にも経験されたことがあるかもしれませんが、一度加熱したものを再度加熱すると、お食事よってはパサパサになったり、固くなったりすることがあります。食材ごとに対応が異なり、尚且つ大量調理となるので、改善改良の繰り返しでした。
ですから、導入当初はごく一部の商品をセントラルキッチンで製造し、お客様には「セントラルキッチンで製造したものも活用いただけます」と選んでいただき、段階的にご理解を得たものです。
当初はコストが増大し、先行きに不安もありましたが、5年程かけて今に近い形をつくることができました。

また、お弁当屋さんをやっていた頃から、私には生産効率の高いシステムとそれに伴う従業員の待遇改善という事が大きなテーマとしてあり、セントラルキッチンにも積極的な設備投資を行ってきたのですが、生産効率はもちろんのことながら、食味や食べやすさ、美しさ等の改良のため、最新設備機器と技術を積極導入し品質改良に注力しました。
その効果として、厨房スタッフの皆さんに年二回社長賞という名称で成績に応じた金一封を提供できる様になったのです。

このように、セントラルキッチンで製造する商品(クックチル)のクオリティが向上したことが、ナリコマが飛躍的に成長する起点となる物販サービス展開に繋がるのですが、きっかけはある施設様からのご要望でした。

「ナリコマのクックチルだけを売ってほしい」と言われたのです。

ご利用者様の細やかな対応に応えたいとお考えの施設様だったのですが、委託サービスだと契約上、出来ること/出来ないことがある中で、たしかに商品だけのご提供であれば、調理の負荷を軽減しながらも施設様がご利用者様のニーズに応えることが出来るのです。

「これは他の施設様もご要望になられるに違いない」密にお客様と接する中で、私には強い確信がありました。
また、当時の当社の体力では、年間の委託契約数の増加に対応するにも限界がありましたが、物販サービスであればスムーズにより多くのお客様にサービスがご提供できます。そのような背景もあり、物販サービスを開始しました。

その後、大変有難いことに新たな施設様からのご依頼が想像以上に多く、全国のお客様のご要望にお応えするため、委託サービスから本格的に物販サービス事業強化に舵を切ることにしたのです。

一方、物販サービスが拡大化する中で、お客様の運営サポートが肝心であると実感しました。
「売って終わり」では、ナリコマの仕事ではありません。物販であってもお客様が安心して厨房運営が出来るまで伴走させていただくことが重要だと考えました。
これまでの委託サービスで得た厨房運営のノウハウを十分に生かし、運営アドバイザーという選任の担当者がつき、定期的な運営のコンサルティングを行ったり、委託サービスの従業員が厨房業務のパートナーとして協力する体制も新たに整備してきました。

お客様のお困りごとに向き合い、安定した経営をお支えすることを当社の重要なテーマに於き、今後もお客様に真摯に向き合い応え続けていきたい、そう考えております。

さて、今回は「クックチルシステム導入後の苦難、商品力・サービス力で実現した物販サービス」までをお話させていただきました。

次回は、介護食開発にかける私の思いについてお伝えさせていただきたいと思います。

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